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 本日2017年4月30日、かねてより噂のあったホンダF1エンジンを第二のチームへ提供する事が正式に発表されました。

 2018シーズンからはマクラーレン・ホンダに加え、ザウバー・ホンダが誕生する事に。

 ホンダはこれまでマクラーレンとの独占契約でしたが、1チームだけだと走行テストが十分に行えない事が一番の悩みでした。
 公式のテスト期間中しかほとんどシャシーに乗せて走行する事ができず、さらに1チーム2台のうち1日1台のテストが定番。1台が走っている間に改良すべきところを見つけて同時進行でもう1台に改良や調整を施し、翌日は改良した方を走らせてさらにデータを取っていくからです。
 2台同時に走らせて、2台とも同じ不具合で貴重で高価なエンジンを壊して翌日何もできないなんて事になったら最悪です。
 MotoGPでも第二・第三のチームを持ってますよね。

 1チームだけだとそれがエンジン本体の不具合なのか、それともシャシーとの兼ね合いで出てくる相性の問題なのかも分かりづらく、今年は特にその問題が顕著に表れていました。
 実際はマクラーレンのギヤボックスとの相性の問題で共振による大きなバイブレーションが発生し、それが電気系統にダメージを与えて走行不能に陥っていたのに、マクラーレン側からは「すべてホンダエンジンが悪い」という趣旨のコメントしか出ず、多くの方のホンダF1エンジンに対する評価が失墜してしまいました。

 もちろん、まだまだ他チームと比べてパワーが出てない(トップのメルセデスと比べて約80馬力劣る)ので改善すべき点は多々ありますが、「技術力がない」とか「やる気がない」とかは見当外れの意見だと思います。
 技術力が無ければそもそも1600ccV6で1000馬力に迫ろうとしているF1エンジンなんて作る事すら出来ませんし、やる気がなければ莫大なお金をかける必要もありません。
 「トヨタの方が技術力があり、ホンダを押しのけてF1に復帰して欲しい」なんて声もあるようですが、そもそもトヨタのF1エンジンは元々F1にエンジンを提供していた経験のあるヤマハの技術力によるもの(コスワース・ヤマハ:鈴木亜久里、ティレル・ヤマハチームやアロウズ・ヤマハ:デーモン・ヒルなどが有名)。一般車にもヤマハ製エンジンを積んだトヨタのスポーツカーなんてゴマンとあるので、ヤマハ無しに今のトヨタはありません。
 有名なトヨタ2000GTも実は8割以上ヤマハ製です。トヨタは外観のデザインスケッチとシャシー設計くらい。トヨタが直接関わったのは4人だけ。だからヤマハ本社には堂々と限定モデルの2000GTが展示されていて、「『ヤマハ2000GT』に改名した方がイイ」なんて声もあります。
 トヨタ(?)2000GT、セリカ1600GT、70・80スープラ(スープラに載された名機1JZ-GTEエンジンは開発から製造まで100%ヤマハ製。90年代のトヨタの名車と言われるクラウン、マークⅡ、チェイサー、クレスタ、ソアラetc...すんばらしい1JZ-GTEエンジンは当然トヨタ製エンジンだと思ってた方ゴメンナサイ。嘘だと思う方はwikiへどうぞ。下の1JZ-GTEエンジンの写真も。)など、有名な「トヨタのスポーツカー、プレミアムカー」はヤマハエンジンです。ご存知でしたか?
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 100%ヤマハ製のエンジンなのにトヨタのエンブレムの方が主張が激しいのは、やっぱり大人の事情です。お金とか、お金とか・・・あとそうそう、お金とか。ヤマハにエンジンを作らせてやってる的な?
「工場も製造能力も余ってんだろ?だったらこーゆーエンジン作ってくれよ。売りさばいてやるからよ。こっちは車が売れるし、そっちはエンジンメーカーだからエンジンが作れて売れればいいんでしょ? これがよく言うwin-winってヤツよ」
 ・・・というやりとりがあったかどうかは知りません。

 現在でも、レクサス初のスーパーカーLFAや、スーパーGTでGT-RやNSXと戦っているレクサスRC Fのエンジンもヤマハ製と言って差し支えないくらい大きく関わっています。
 残念ながら、トヨタ単独で高性能レースエンジンを作る事は出来ませんし、お金がかかるからやりません。
 ヤマハファンの方、もっとヤマハを好きになって下さい。
 もちろん企業は利益を追求する事が義務なのでそれが間違ってるなんて言いませんが、「ホンダよりトヨタの方がレースエンジンに関しても技術力がある」という誤解には物申さなければなりません。
 車屋をやってる僕がこんな事言うと怒られるかも知れませんが、車屋だからこそ、トヨタの(レース的な意味での)高性能エンジンはホントはヤマハ製って事も知ってるんです。

 トヨタに技術力が無いとは言いません一般大衆に受け入れられる性能と燃費のバランスのいいエンジンを作る事にかけては世界一でしょう。でもそれはこれまでお世話になってたヤマハのパク〇・・・ヤマハ技術者の引き〇き・・・いや失礼、昔から「スポーツカー」「レーシングカー」を作るのは苦手・・・というか、大衆車メーカーで9割の一般大衆の為に大量に作るのが本業なので、1割のユーザーのニーズに応える手が足りません。餅は餅屋。得意な所に外注するのがコスト最優先のトヨタ方式。
 ハイブリッド技術も電装屋のパナソニックとの関係が強いから一歩前に。
 高性能・高級車種のエンジンはヤマハに外注して作ってもらってレースその他でブランドイメージを上げて、実際には売り上げの大半を占めるプリウス、アクア、ヴィッツ、カローラが売れれば大成功。そしてその通りになっています。

 AE-86の現代版として話題になったFT-86はスバル製。開発中の次期「スープラ」はBMW製です。外観が違うだけで同じくらいのお金出すんなら、僕は100%スバルBRZ、BMWZ5を選びます。それらの「走りを追求した車種」でトヨタマークを付ける必要を感じません。だってトヨタ製じゃないんだもん。
 でも、FT-86やスープラ、レクサスの高性能車種を買うのは1割の人たちです。ビジネスとしては大正解。

 レースマシンと一般大衆車は共通する点もあれば明らかに違う点もあるので、一概にどちらの技術力が上か下かという議論に終わりはありませんが、少なくとも、車の倍以上回転するバイクのエンジンで日夜しのぎを削っているホンダとヤマハには、高回転・高出力エンジンを作るノウハウがトヨタよりある事だけは確かです。
 ホンダは世界一のバイクメーカーであり、F1のエンジンも自社で開発できる程の世界有数の技術力が確かにあります。
(まぁ、一般車に関しては「エンジンはイイけどミッションがダメ」だと思いますが・・・。ここら辺はトヨタを見習って外注でおねg・・・ウグ・・・)



【トヨタ信者の方には申し訳ありませんが、ここはバイクブログなのでバイクメーカーを贔屓目に見てしまうのはどうぞご容赦を(´・ω・`)
 トヨタよりホンダ、ヤマハ。ベンツよりBMWが好きです。バイク作ってますから。】



 話をF1に戻して・・・
 対してザウバーは、ここ数年はフェラーリのエンジンを使っていましたが、去年からフェラーリはハースF1との関係を強化しており、今年のザウバーは去年のフェラーリエンジンを使っている『第三のチーム』という位置づけになってしまっています。
 ザウバーとしては、フェラーリの第三チーム(型落ちエンジン)よりはホンダの第二チーム(最新エンジン)の方が可能性があるホンダは第二チームができる事でテストのデータが倍になるマクラーレンもそれによってさらにイイエンジンになるなら独占契約に拘っても仕方ないという3者の利害が一致し、今回の契約締結となりました。

 また、ホンダは二つ目の条件として「日本人ドライバーのシートの確保」を提示していたようです。それをザウバーが飲んだという事は、来年は日本人ドライバーがF1に復帰する事になるかもしれません。
 ホンダは技術力の向上だけでなく、今後の日本のモータースポーツを発展させるためにF1に投資しています。
 (対してトヨタは、欧州ではF1より人気のあるWRCに「欧州で車を売る為に」参戦しています。ビジネスとしては大正解。株価も⤴。DISってるんじゃなくて事実です)

 最近のホンダF1は苦しい展開が続いていますが・・・
 二輪・四輪最高カテゴリーに挑戦し続けるホンダをぜひ応援して下さい!
 ホンダよりトヨタが好きって方も、「ホンダのバイクは優等生過ぎるから好きじゃない」って方も、ホンダが最高峰のレースにかける熱い情熱は評価してください。
 バイクの単純なパワー競争なら他社に一歩譲る事が多いホンダのバイクがレースで強いのは、全体のバランスが最高レベルでまとまっているからです。面白味には欠けますが。



 これでザウバー・ホンダの方がマクラーレン・ホンダよりも速かったりなんかしたら面白いですね|д゚)
 ただ、ザウバーがイイチームだとは思わない('_')
 破産して今年参戦できなかったマノーをはした金で買い取って、ホンダF1レーシングチームでも作った方がいいんじゃないでしょうか。


(追記)
 同日行われた第4戦ソチ、アロンソはフォーメーションラップでリタイアしてしまいました"(-""-)"
 頑張れ、HONDA!


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